今日読み終わった本。衝撃でした。
「虚構の神話-フロイトはコカイン中毒だった」松岡悠一郎著/マルジュ社
フロイトといえば世界史の教科書で出てきてたな、、というくらいの知識しかありませんでした。
フロイト(1856~1939)それまで未知の領域だった精神(心)の問題に科学的に取り組み、無意識を発見。精神分析という分野の創造。精神医学や臨床心理学の基礎となる。
という文面だけの知識です。
へえ~教科書に載ってる偉い人ね。
だから心理学の話で「フロイトの説では」とかって出てくれば、それこそ”無意識”に「定説」かな?偉い人の言う事だからそれなりに根拠のある説なのね。とありがたく聞き入れてしまう存在でした。
しかし、何かでエディプス・コンプレックスというものについて聞いた時に真っ先に「なんじゃそれ???」「全然ありえないんですけど」というのが率直な感想でした。
それでも「世界史の教科書」という受験で丸暗記した記憶の中で「正しい人」「偉人」としてインプットされた名まえなので「うーーーん。、わかんないや:;」という形で片付けてしまっていました。
とにかく児童心理学等でポツポツ出てくるフロイト説に微妙な違和感と、そこからくる「心理学」という言葉への胡散臭さ・・・・
臭う、、、しかし解からない、、、という微妙な臭気をこの本の題名だけで「うお!?何!???」と思って読み始めたのです。
そして読んでみると衝撃!もう、今まで社会の中に感じていた薄曇の部分がバッサリ切り落とされ明らかになった感じ。
この衝撃は「母乳の政治経済学」以来の新事実、大発見です。
これを読むか読まないかで世界観から人生観まで全て違ってしまうという、スゴイ本。「母乳の政治経済学」と「虚構の神話-フロイトはコカイン中毒だった」の二冊は私の「二大・ザ・ベストブック」に決定です。(どうでもいいってか)
ただ、難しい><言葉が・・・
著者の文章も難しいし、フロイトの手紙をそのまま訳して載せてるのでラりってて文法とか文脈とか無茶苦茶でただでさえ意味不明。
意味不明な文章と難解な解説が交互にくるので、かなり難解な本でした。私には・・・ある意味ミステリー小説。
それで読んだ後に自分の噛み砕いた言葉でまとめないと、理解が固まらないなぁという感じです。
なので感想文を書くわけです。
まず歴史の整理
1749年 南アメリカ・ペルーの高知に原産する「コカ」という植物がヨーロッパに持ち込まれる。
1858年 オーストリア政府が派遣した航海により大量のコカの葉が持ち帰られ、アルバート・ニーマンがアルカロイドの分離に成功しコカインと名づけられた。※アルバート・ニーマン(尿素を合成したドイツの化学者フリードリッヒ・ウェーラーの助手)←こんな感じで「誰々の助手の誰々さん」とか「友達の友達の友達、、、」みたいな関係の長い複雑な紹介が続くため、人物把握も大変なのです--;
1876年 ウィーン大学医学部卒業、エルンスト・ブリュッケ教授の門下に入る。ナツメウナギやザリガニの神経線維や脳組織の医学研究者として出発。後に神経医学の領域へ踏み込むことになる。
1882年 臨床医としてウィーン総合病院に勤務
1884年 神経科に勤務---ここでコカインの臨床上の使用効果を研究しはじめる。
1885年 ・研究所の先輩フライシュルの切断神経腫の痛みにコカインの皮下注射を行い、一日に1グラムもの服用に増大。
・神経科協会で「コカインの一般的作用について」講演。コカインの使用によってモルヒネ中毒が解消できると服用を奨励する。これに対して否定的な報告、批判が相次いで発表される。
1887年 ウィルヘルム・フリース(ベルリンの開業医)と出会う。
1891年 フライシュルがコカイン中毒、モルヒネ中毒のため死亡(45歳
1894年 フリースはフロイトの紹介で妊婦にコカインの臨床人体実験を行う。
1894年エンマ・エックシュタインがフロイトの子どもを出産。
1895年 エンマ・エックシュタイン事件(フロイトが依頼してフリースが行った鼻の手術で、フリースはエンマの鼻に50センチものガーゼを詰め込んだまま帰ってしまうという医療過誤)
1895年「ヒステリー研究」出版 アンナ・Oの症例
1896年 「神経学評論」三月号「神経症の遺伝と病因」を発表(児童虐待を変に解釈して報告)
1897年 フリース宛の手紙。「私はもはや私の神経学説を信じていない」と発言する転機。
1900年 「夢判断」出版
・フリースとフロイト最後の会合で別離。
・ヨメの妹ミンナを妊娠させ、人工中絶させる。
1905年ごろ、エンマとフロイトに亀裂
1907年 ユングがフロイトを訪問
1911年 アドラーがフロイトの協会を辞任して去る。
1912年 ユングはアメリカで講演、その後フロイトと決別
1913年 妻マルタ、妻の妹ミンナ、末娘アンナの三人と暮らすようになる。
1918年~「子供が叩かれる」を書き始める
1923年 口腔癌の手術を始めて受ける
1924年エンマ・エックシュタイン死亡(59歳)・・・フロイトの関与した婦人科手術で死亡したと言う説あり。
1939年 9月23日死亡(83歳)
1950年 娘アンナ・フロイトが中心になってフリース宛の書簡集を出版。
1985年 フリース宛の手紙が完全な形で出版され、両者の関係やコカインの服用者であることがわかる。
「フロイト 彼の人生と業績の紹介」J・N・イスビスター著・出版
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ああ、歴史まとめだけで、もうガックリ。
でもまとめてみると解かりやすいです。
そもそも、フロイトの真実が暴かれたのが1985年ってつい最近!教科書はそれ以前の情報で書かれているわけです。
まさに20世紀はフロイト主義によって作られた社会かと・・・・
コレは大変。
フロイトがどんなにとんでもないか、ということはこの本を噛み砕くと
とにかく「コカイン中毒者」だということが一番なんですが、他には
・臨床報告が嘘!
・データ無しで非科学的。
・主観を基準にしているので、主観の数だけ分派が生じる。ユングとか。
・先輩をコカインで早死にさせてる。のに、成功したと発表してる。
・勝手に病名をつけて、病気でもない鼻を削らせて瀕死に。。。
・コカイン中毒の医者に患者を紹介させて手術させる。
・家族、親戚の女性への暴行
・今で言うところの「AD」です。
・つまり自分が中毒患者なのに人を治療してる・・・
・てか、カタルシス療法とかの治療は成功したことが無い!
・患者に手を出す。患者にも家族にもコカイン打つ。
でも意外と長生きってところが素朴にスゴイですな。
しかし、なんでどうして、こんな人物の非科学的理論が「神話」と化して世界の価値観を作り出すまでになったのか・・・
と言う事の答えは。
難しい言葉が出てきて、
「理性的普遍的意思を原理に実践すること」
「個別的意思を原理に実践すること」
という二つの言葉をまず理解しなくては・・・・
■理性的普遍的意思を原理に実践する事とは
正常、善、法、倫理、健康、健全な人のこと
理性的普遍的な意思を原理にした善なる倫理的意思。
個別的意思をアウフヘーベンしなくてはいけない。
■個別的意思を原理に実践する事とは
異常、悪、不法、犯罪、病気、のこと
階級社会の成立以来、支配層によって実践されてきた。
家庭の崩壊によって極度の個別意思を原理にする実践が貫徹される。
〔国家を私物化する支配層のやり方・階級支配国家の法則〕
個別的意思を原理にすることを強制。
暴力措置(官僚、司法官僚、軍隊、私設暴力団等)を育成強化する。
そして恒常的に精神異常状態を続ける精神異常者、訓練や暗示によって精神異常状態にさせられた人たちを”理性的普遍的意思を原理にする運動”の破壊活動に利用する。
”理性的普遍的意思を原理にする運動”を生じさせないために、正常を異常、異常を正常といいくるめるイデオロギーを必要とする。
↑
このイデオロギーがフロイト主義。
(フロイト主義)
似非科学。コカイン中毒で出鱈目に書いた論文。
正常と異常の区別がめちゃくちゃ。
◎結論◎
フロイト主義は階級支配国家を補強するイデオロギー
国家を私物化する支配層のしもべによって宣伝流布された。
◎日本での問題◎
日本は哲学の伝統が無い。
感覚主義、主観主義が支配しているので、主観の数だけセクトを作ることに違和感がなく平然と受け入れてしまう社会背景がある。
だからフロイト主義にあっさり騙されるということ。
これが「精神分析-心理学」ブームをもたらす背景になっている。
◎アメリカの状況◎
フロイト主義が最も行き届いている。
したがって個別的意思を原理にすることが正常化。
親子の離別、離婚、児童虐待、コカイン中毒者の増加、快楽主義の支配が日常化。
その結果、家族および社会組織の解体現象が急速に進展。
かつてのアメリカはキリスト教倫理観が世界で最も確立していた国だったのに・・・だそうです。
1921年にキュリー夫人がアメリカに渡った時は「自由の国♪」と希望に満ちていたのに、って記憶してたんですが、それはフランスの事か?でもアメリカに行くのも喜んでいたはず。
古きよき、、、ということで、アメリカがよかったのはキュリー夫人が行った頃まで、、、ってことでしょうか。
キュリー夫人の伝記だとかなりフランスやアメリカのイメージは良いんですけどね。
フロイト主義によってアメリカが今の「個人主義」とか言われるような社会的価値観に変わっていったのかもしれません。
ただ1985年にフロイトの真実がかなり明かされ、この本は1995年に出版されています。
21世紀になってかなりアメリカは児童虐待とかの問題に先進的に取り組んでいて、心理学の分野や神経学とか精神科とか、進歩してると思います。
フロイトはちょっと、、、という研究が出てきて脱フロイトになってきてるかもしれません。
最近読んだ他の本でもフロイトの功罪として出てきました。
1897年のフリースへの手紙の内容から来ている話です。
フロイトはこの頃までに沢山の精神分析をしたらしいです。ただ、その数は「嘘」らしいので、その本ではもちろんコカインの事は出ていないし。
とにかく、一応フロイトは沢山の人から過去の話を聞きだすと、児童虐待が物凄い多いことが発見されたそうです。
そしてヒステリー症状の原因は過去の児童虐待のトラウマが関与してるということを感じ始めます。
そのことを書いたのが上の年表で1896年 「神経学評論」三月号「神経症の遺伝と病因」のことだと思われます。
その本によるとこの内容はかなり批判にあったそうで当時の社会でそんな風に親が子どもに暴行を加えるなんてありえないという神話的感覚があり、フロイトの発表は受け入れられなかったというのです。
その結果、フロイトは「じゃあ、子ども(患者の記憶)が嘘を言ってるんだね」
と解釈してしまったというのです。
それで「白昼夢」とか「妄想」という風に仕立て上げ、勝手な理論が作られてしまったと。
当時から児童虐待はかなりの数あったにもかかわらず、それは子供の妄想や嘘だとしてフロイトが片付けてしまったらしいというのです。
しかし、その本の人はフロイト自身も犯罪者だとは知らなかったわけで、「妄想」だとでっちあげた背景は、フロイトも同じことを家族にやっていたから自分の罪を隠す意図もあったということです。
功罪もなにも、罪しかないですね。
しかもフロイトは自分の父親のやったことについても気が付いてしまい、ようは自分がADかも?という部分まで気が付いて、それを打ち消す理論を作ったのかもしれません。
最近の心理療法では「トラウマ」の解決に過去を回想することが必ずしも良い結果ばかりではないという報告が出てるようです。
そもそも、「カタルシス療法」とか作った当人が治療に成功してないのだから、まったく騙されちゃったよねって感じだと思います。
本当に、この本を読んで肩の荷が下りる感じでしたよ。
まず、この世には善と悪が別々に存在しているということ。
安心しました。
今までフロイト主義によって善と悪が混同され、区別の無い社会の中で、葛藤し、悩んできた自分がいます。
人は元々悪を含んでいて、悪を開放して良い。というような理論が科学の主義として存在している中で育ちました。
私はフロイトなんて名まえくらいしか覚えていないのに、そのイデオロギーのプレッシャーは確実に感じていました。
でも、その真相を知れば、何のことは無い、何の根拠の無い、これまた母乳問題と同じ、支配階級によるところの仕業だったんですよ。
でも脳科学や精神科とかではフロイトの間違いが認識されてきてると思いますが、一般、文系の中では深いところに善悪の混同が根付いていると思います。
私自身も「個別的意思を原理に実践せよ」という強制や呪縛を取り除いて「理性的普遍的意思を原理に実践しよう」と勇気を持ちたいです。
それが人間本来の姿、とこの本では言ってました。
自然な、人間本来の姿を取り戻したい。というのは出産後から考えてきたことです。
いやぁ~面白い本でした。
難しかった・・・・
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